仕事一覧
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あの日の「ただいま」を求めて、私は帰省という旅行に出かけた。
思えば「ただいま」とは、わたしをたちまちおしゃべりにさせてしまうキラキラした魔法のような言葉だった。 急いで靴から足を引き抜くと、「今日はね、」「びっくりすることがあったんやけどね、」と、迎え入れてくれた母にその日の出来事のあれこれを、みんなみんな話してしまう。母は夕食の支度をしながら「うんうん」と頷いたり、「まあ」と驚いたりと忙しそうだった。あとから聞くと、母は「趣味は、娘の話を聞くこと」と言っていたらしい。
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紡績工場を見学しました。糸って、真面目だ。(1) - 〈O2〉BETTER THAN ONE - ほぼ日刊イトイ新聞
「いちばんいい」じゃないけど、ちょうどいい。〈O2〉は、そんな「オツな新定番」をつくるリーズです。この秋の新作は10月・11月と2回に分けてお届けします。
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お暇とジュースと。 - ほぼ日刊イトイ新聞
ほぼ日の塾第4期生の中前結花さんによる自由なエッセイです。ほぼ日「畑deしぼり」のコンテンツ作りをお願いする、という話から始まった「特別な6ヶ月間のお話」、どうぞお読みください。
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「知らないもの」って、おもしろくないの?|中前結花
わたしはよく、 「荒井注(あらいちゅう)のカラオケボックスじゃないんやから」 と言う。 すると、だいたい相手は「なに?(笑)」と聞き返すから、 「元・ドリフターズの荒井注は、ドリフ脱退後にカラオケボックスをやろうとしたんやけど、肝心のカラオケの機材がドアから入らへんくて、開店できへんかったのよ。だから、肝心なものは最初に段取らないと」 などと説明する。 相手は「なるほど」といった顔をして頷くから、わたしは満足だ。 大好きなエピソードで相手を説き伏せるのは気持ちがいい。 ちなみに、荒井注がドリフを脱退したのは1974年のことで、もちろんそれはわたしが生まれる10年以上も前の話。 わた
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別れるとき、さくらは流れた|中前結花
冬は、リビングに駆け込むと、いつも石油ストーブのムッとするような独特の香りが漂っていていて、わたしはこれが特別に好きだった。 実家で過ごしていた頃の話だ。 母は働きに出てはおらず、1日のほとんどをこのリビングで過ごしていた。 娘のわたしが帰ると、必ず玄関まで迎えに来てくれる。 「寒い!寒い!!」 と慌てて靴を脱ぐわたしに、 「おかえり。お部屋あったかいよ」 といつもリビングの扉を開けて招き入れてくれた。 今になって思う。 わたしの学生時代の記憶が半ばおぼろげなのは、もしかすると、このあたたかな部屋のせいではなかったろうか。 つまり、この部屋の外の出来事はすべて、わたしにとっては「有
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それはつまり、設楽さんなのか。日村さんなのか。|中前結花
その昔、カタカナの「シ」と「ツ」の書き方の違いを、バナナマンの日村さんに教えたのは、相方の設楽さんだ。 おかしな話だけれど、日村さんは「シ」と「ツ」、ついでに「ン」の書き方が怪しい。 設楽さんは何度だって「“シ”はね、“ツ”はさ、」と、その書き方について説明してきた。 その度に「そっかそっか」「またやっちゃった」と日村さんは言うけれど、おそらく、きっと、今でもあやふやなのだ。 うんと若いころ、2人が足を踏み入れた畳の楽屋には、座布団がいくつか積み上げられていた。 日村さんは、迷うことなくその上に「デンッ」と腰を下ろす。 設楽さんは「日村さん、どうしてその上に座っちゃうの?オレも居る
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「結婚」はしないと思ってた。|中前結花
「結婚」なんてしないだろうと思っていた。 それだから、まだ付き合ってもいない彼から唐突に 「なんか……結婚したいですね」 と言われたときは、なんて気の合わない人なんだろうかと首を傾げたものだった。 「結婚は……、どうでしょう」 わたしは答える。 もちろん、そういった幸せのかたちがあることは知っているし、大切な誰かが誰かと結婚するとき、わたしは心の底から「おめでとう」と言うことができた。 けれど自分のこととなると、どうだろう。なんだか途端に妙な気持ちになるのだ。きっと、「自分ではない誰かと、ひとつのかたまりのようになる」 ということに、どうにも違和感があったのだと思う。 たとえばそれ
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pal'las palace パラスパレス - 22秋のテシゴト
人の手がつくりだす 繊細で柔らかな味わいを大切に 心と体を優しく包む モノづくりを目指しています
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pal'las palace パラスパレス - 22夏のテシゴト
人の手がつくりだす 繊細で柔らかな味わいを大切に 心と体を優しく包む モノづくりを目指しています
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