19インチのテレビを背負って逃げ込んだのは、映画のまち「調布」だった。

19インチのテレビを背負って逃げ込んだのは、映画のまち「調布」だった。 - SUUMOタウン

著: 中前 結花「それにしても、羨ましいなあ」おじさんは工具でネジを締めながら、しきりに天井を見上げて、そう繰り返す。「喫茶店なんかに、たまにあるでしょう。いい雰囲気の。そういうところの天井には、必ずこれが付いてるもんなあ」“これ”とは、プロペラのような羽が天井でくるくる回る「シーリングファン」のことである。「調布」という街に越してきて、1週間。誰かにこの、白くて高い天井を見せたのは初めてのことだった。ブンブンと勢いよく回る羽の様子は、どこか気を良くしているようにも見えて、家主になったばかりのわたしも鼻が高い。2016年、春のことだ。 逃げ込んだのは、映画のまち 「うれしくて、天井ばっかり見ち…

記事を読む

2022/08/14