
小さい出会い、長い付き合い vol.2 「クリスマスのお詫び」
惹きつけられるように、何気なく偶然出会った“もの”が、生涯の相棒になったり、特別で忘れられない贈り物になったり。そんな、不思議な「ものとの出会い」をエッセイストの中前結花さんが綴る連載エッセイ「小さい出会い、長い付き合い」。今回は数ヶ月前のクリスマスについてのお詫びの気持ちを贈り物に込めたお話です。とても酷いことを、わたしは口にした。それはクリスマスイヴの出来事だ。その数日前の朝、わたしは宅配便で包装紙にくるまれた大きな箱と小さな箱を受け取っていた。ひとつには「加湿器」、もうひとつには「クリーンフィルター」という付箋が貼られてある。きっと付属品か何かだろう。納品書とともに届いたそれらをわたしは、ため息といっしょに床に下ろした。パート
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